看護師は小さい病院から大きい病院へ転職すれば万事オッケー!?

小さい病院で勤務をしている看護師のあなた。

毎日のお仕事お疲れ様です。

小さい病院ならではの不満や悩み事、溜まっていませんか?

「人間関係がちょっと・・」

「このままここでキャリアを積んでもいいのかな・・」

「給料が安いんだよ・・」

などなど。

そんなあなたは、小さい病院から大きい病院へ転職すればこんな不満はなくなるはず!と考えているかもしれませんね。

 

 

「大きい病院の方が小さい病院よりも待遇が良くて、キャリアアップも目指せて、それにちょっとカッコイイ!」といったイメージを持っている人は、少なくないだろうと思います。

特に、今現在の小さい病院での仕事に不満を感じている人は、大きい病院に対する良いイメージがどんどん膨らんでいるかもしれませんね。

 

 

実際のところ、小さい病院から大きい病院へ転職すれば、本当に今抱えている問題は解消されるのでしょうか?

過剰に良いイメージが膨らんでしまっているかもしれない大きい病院への評価を一度白紙に戻して、小さい病院から大きい病院への転職について、ここで冷静に考察してみましょう。

 

小さい病院から大きい病院へ転職したい理由別に解説!その考え、本当に正しいの?

 

 

あなたが小さい病院から大きい病院へ転職したいと考えている理由は何でしょうか?

ここでは、小さい病院から大きい病院への転職理由に多くみられるものを4つ挙げています。

それぞれの理由別に、その考え方が本当に妥当であるのかどうかを検討してみましょう。

 

 

理由その一:小さい病院は大きい病院よりも給料が安いからもう嫌!

 

 

小さい病院は大きい病院よりも給料が安いというイメージ、確かにありますよね。

はたしてそれは本当なのでしょうか?

もしも本当なら、差額はどの程度のものになるのでしょうか?

 

 

日本看護協会が2019年に実施した病院看護実態調査の中で、病床規模別の看護師の給与平均額が報告されています。以下に示しているのは、病床数と勤続10年の看護師(非管理職)の税込給与総額平均値です。

 

 

  • 99床以下 :309,809円
  • 100〜199床:315,770円
  • 200〜299床:319,061円
  • 300〜399床:331,844円
  • 400〜499床:336,887円
  • 500床以上 :344,184円

 

 

こうして見てみると、99床以下の小規模病院は、やはり最も給与平均額が低いですね。

しかしながら、300床未満の病院と比べても給与平均額の差は5,961〜9,252円。

意外なことに、それほど大きな差ではないですよね。

 

 

それに比べて300床以上の病院となると、給与平均額は顕著に高くなっています。

99床以下の病院と300床〜500床未満の病院との給与平均額の差は22,035〜27,078円。

一気に差額が広がりましたね。

また、99床以下の病院と500床以上の病院との給与平均額の差は、なんと34,375円です。

 

 

こうして見ていくと、確かに大きい病院は給料が良い傾向にありますが、給料アップを狙うのであれば、300床以上の大規模病院、更には500床以上の超大規模病院を狙っていく必要があることがわかりますね。

小規模病院から300床未満の中規模病院への転職では、給料アップはあまり期待できません。

 

 

しかし!転職先探しの際に、大規模病院だけに焦点をあてることもおすすめできません。

なぜなら、小さい病院の中にも高い給料を払ってくれる病院はあるからです。

 

 

大きい病院は給料が良いというのはただの傾向であって、絶対的なものではありません。

もしもあなたの転職の目的が給料アップだけであるのなら、転職先の候補は大規模病院だけに絞らずに、中小規模も含めた方が良いでしょう。

より選択肢も広がって、理想の転職先に出会える確率は高くなりますよ。

 

 

 

 

理由その二:小さい病院は大きい病院よりも夜勤手当だって安いからやってられない!

 

 

「小さい病院は夜勤手当も安いので、辛い夜勤にやる気がでない・・」と感じている人もいるでしょう。

しかし実際のところ、小さい病院の夜勤手当は安いとは言い切れないのですよ。

 

 

上にあげた日本看護協会の病院看護実態調査(2019年)の中で、病院規模別の夜勤手当平均額についてもまとめられています。

 

 

三交代制の準夜勤手当平均額(平日1回あたり)

 

 

  • 99床以下 :4,422円
  • 100〜199床:4,534円
  • 200〜299床:4,084円
  • 300〜399床:3,874円
  • 400〜499床:3,729円
  • 500床以上 :3,567円

 

 

三交代制の深夜勤手当平均額(平日1回あたり)

 

 

  • 99床以下 :5,531円
  • 100〜199床:5,533円
  • 200〜299床:4,965円
  • 300〜399床:4,584円
  • 400〜499床:4,469円
  • 500床以上 :4,238円

 

 

二交代制の夜勤手当平均額(平日1回あたり)

 

 

  • 99床以下 :11,601円
  • 100〜199床:11,727円
  • 200〜299床:10,821円
  • 300〜399床:10,121円
  • 400〜499床:9,462円
  • 500床以上 :8,570円

 

 

こうしてみて見ると、二交代制であっても三交代制であっても、夜勤手当は小さい病院の方が高額であることがわかりますね。

夜勤手当に不満があって小さい病院から大きい病院への転職を考えているのであれば、その考え方は実際的ではないということです。

この場合、転職先の規模を制限する必要はなく、むしろ小さい病院に焦点を当てながら転職先を探していく方がよいのかもしれませんね。

 

 

 

 

理由その三:小さい病院ではキャリアアップしたくてもできないのでもう嫌!

 

 

これからの看護師としてのキャリアアップを考えているのであれば、小さい病院から大きい病院への転職は賢い選択肢であると言えます。

 

 

小さい病院では、例えば専門性を追求したくても限界がありますし、さらなる資格取得を目指したくても支援制度がないことも多いです。

そのため、金銭面においても勤務調整についても、全て自分一人で何とかしていかなければなりません。

それに対して大きい病院では、キャリアアップのための資格取得に対する支援制度が整っていることが多いです。

 

 

また、院内での看護師教育制度においても、小さい病院と大きい病院とでは差が出てきてしまいます。

 

ここで気になる統計があります。

確かに2016年に日本看護協会が実施した「中小規模病院の看護の質の向上に係る研修等に関する調査」によると、300床未満の中小規模病院であっても、看護師の教育のための組織や教育担当の責任者が配置されている所は80%以上にのぼっており、これはかなり高い割合であると言えますね。

 

 

しかしながら、小さい病院の看護師の教育制度は新人のうちに限られていることもよくあります。

対して大きい病院では、中堅看護師研修やベテラン看護師研修も整備されていることが多く、院内の学習会などもより頻繁に実施されています。

 

 

勉強に集中できるより良い環境を手に入れたい、さらなる看護技術の習得を目指したい、そういったキャリアアップを望んでいるのであれば、大きい病院への転職が最善の策であると言っても良いでしょう。

 

 

 

 

理由その四:小さい病院では人間関係が狭くてトラブルが多いのでもう嫌!

 

 

小さい病院は職員数が少ないため、狭い環境の中で濃い人間関係ができあがっていることが多いですよね。

それが居心地の良さに繋がることもあれば、とてもストレスに感じることもあるでしょう。

 

 

この場合、職員数の多い大きい病院に転職すれば、大勢の中の一人として紛れられるので、人間関係は楽だと考えてしまいがちです。

 

 

しかし!大きい病院にも人間関係のトラブルは存在します。

確かに小さい病院のように狭い関係で苦しむことはありませんが、関わる人の数がとても多いですから、その分苦手なタイプの人と一緒に仕事をしなければならない確率だって上がりますし、トラブルが発生する可能性だって高くなります。

 

 

また、大きい病院では冷めた人間関係が構築されている所も少なくありません。

あくまでも同僚は仕事のパートナーであって、それ以上でも以下でもない、といった割り切った雰囲気が強かったりもします。

そこに居心地の悪さを感じる人もいれば、過剰に気遣いしなくて良いので楽だと感じる人もいるでしょう。

 

人間関係のトラブルを回避したいがために小さい病院から大きい病院への転職を考えているのであれば、転職先を大きい病院に絞る理由はあまりないと言えます。

どのような人間関係の在り方に心地よさを感じるのかというのは、個人的な判断にのみ由来します。

良し悪しの一般的判断ができる問題ではありません。

小さい病院にだって、十分に自分が快適だと感じられる人間関係を築くことができる場所はあるでしょうし、もちろん大きい病院にだってあるでしょう。

 

 

 

 

転職サイトを活用して上手に転職しよう!

 

 

さて、あなたの悩みが小さい病院から大きい病院に転職することによって本当に解決できるものなのかどうか、判断できましたか?

 

 

キャリアアップが目的の人は、やはり小さい病院から大きい病院へ転職するべきですし、その他の理由によって転職を考えているのであれば、再考の余地がありそうですよね。

 

大きい病院に条件を絞って転職活動をする人も、もっと広い範囲で転職先を探す人も、転職サイトに登録すれは、あなたの大切な時間を有効に活用することができますよ。登録は無料で、簡単にインターネットで済ますことができます。

 

 

特に大きい病院に条件を絞りたい人は、年齢制限について注意を向ける必要があります。

雇用対策法は、求人情報に年齢制限を設けてはならないと述べています。

つまり、雇用においては原則的に年齢制限はないのです。

 

 

しかしながら、病院の欲する年齢層というものは決まっていることが多いです。

特に大きい病院、更に言えば大学病院などでは、40代からの看護師の転職は難しいこともあります。

 

 

こんな時こそ転職サイトです。

転職サイトのコンサルタントは、病院側の求める年齢層など、様々な情報に精通しています。

あなたを必要としてくれる大きい病院を、きっと探し出してくれますよ。

 

 

忙しい毎日から、無理をして転職先探しに時間を割く必要はありません。

手間がかかる求人探しは、転職サイトに任せるのが一番です。

非公開求人だって紹介してくれますよ。

賢く時間を使いながら、快適な転職活動をしてくださいね。

 

 

 

 

まとめ

 

病院の規模はあくまでも病床数に対する表現であり、看護師の給料や働きやすさを表す指標にはなりません。

小さい病院から大きい病院へ転職したいと考えているのであれば、まずはその理由を明確にして、転職先は本当に大きい病院でなければならないのかどうかを検討することが大切ですよね。

 

 

正しく転職先の条件を絞ることは、あなたに相応しい職場に出会える可能性をより高くします。

「大きい病院でなければいけない!」という固定観念からは一旦離れて、あなたに必要な転職条件は何なのかを、もう一度じっくりと考えてみてくださいね。

執筆者情報

天職エージェント編集部
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