不動産営業に転職を考えている人は、地域密着型の中小不動産会社にしようか、財閥系大手不動産会社にしようか迷っている人もいると思います。
最初にもお話しましたが、地域密着型の中小不動産会社と財閥系大手不動産会社では、仕事内容や特徴、良い点・悪い点が全く違います。
だから、不動産営業に転職する前に、地域密着型の中小不動産会社と財閥系大手不動産会社の違いをきちんと把握しておく必要があるのです。
まずは、地域密着型の中小企業の特徴を見ていきましょう。
会社としての特徴を強み・良い点、弱み・悪い点に分けてご紹介します。
地域密着型の中小不動産会社の強み・良い点は、その地域の物件の知識が豊富で、オーナーへの交渉力があることです。
これは、建物所有者であるオーナーや物件に頻回に訪問することができるからです。
物件を何度も訪問すれば、その物件に関する知識も増えます。
また、オーナーと信頼関係を築くことができますので、いざという時にごり押ししたり、融通を利かせてもらったりすることができるのです。
地域密着・地域限定である分、その地域に関しては大手不動産業者よりも優っている。
つまり、狭く深くの精神というわけですね。
地域密着型の中小不動産会社の弱みは、「その地域限定」になってしまうことです。
広範囲で物件を探している顧客に対しては、積極的に営業をせずに「放流」せざるを得なくなったり、ほかのエリアの不動産会社と共同仲介をすることになります。
そのため、せっかくの顧客を囲い込むことができないという弱みがあるんです。
次は、客から見た地域密着型の中小不動産会社の特徴を見ていきましょう。
客から見た地域密着型の中小不動産会社のメリット・良い点は、次の3つです。
これらは地域密着型で、中小企業でフットワークが軽いからこそのメリット・良い点ですよね。
客から見たデメリット・悪い点も確認しておきましょう。
地域密着型の中小不動産会社だと、どうしてもエリアも物件数も大手には勝てません。
また、きちんとしたマニュアル・研修がないために、接客・サービスレベルに差が出やすく、誰に担当してもらうかで、心象・結果が違うことも少なくありません。
次は、財閥系大手不動産会社の特徴を見ていきましょう。
ちなみに、財閥系大手不動産会社とは、次のような会社です。
これらの不動産会社は、業界内の最大手と言える存在です。
会社としての特徴を強み・良い点、弱み・悪い点に分けてご紹介します。
大手不動産会社の強みは、次の2つです。
まずは、知名度や信頼度ですよね。
有名な大手不動産会社は知名度がありますので、
「とりあえず、あの不動産会社に行ってみるか」
と思ってもらえます。
また、名前だけで「この不動産会社なら大丈夫でしょ」と思ってもらえるんです。
そして、全国各地広範囲の物件を取り扱っていますので、1つのエリアだけでなく、広範囲で物件を探している顧客にもしっかり対応でき、囲い込むことができるんです。
中小不動産会社が「狭く深く」に対して、大手不動産会社は「広く浅く」であることが特徴です。
大手不動産会社は、特定のエリアで物件を探している顧客には弱いことが特徴です。
大手不動産会社は「広く浅く」です。
地域限定で物件を探している顧客が、地域密着型の中小不動産会社でも並行して物件を探していた場合、どうしても契約には結び付きにくいんです。
地域密着型の中小不動産会社は、おすすめの隠し物件を持っていて、それで成約になるケースが多いからです。
地域限定だと、どうしても中小不動産会社には負けてしまい、頑張って営業をしても、「無駄足・労力の無駄」になってしまうのです。
次は、大手不動産会社を客から見た特徴をメリット・良い点、デメリット・悪い点をご紹介していきます。
客から見た大手不動産会社のメリット・良い点は、次の4つです。
大手不動産会社は、物件数が多く対応エリアも広いですし、各沿線の主要駅の立地が良いところにあるなど、訪問しやすい立地にあることが多いです。
各店舗のネットワークが密なので、訪問した店舗のエリア以外の物件も探しやすいこともメリットですね。
また、マニュアル・研修が整備されているので、接客・サービスが一定レベルに達していることが多く、営業担当の違いに左右されることは少ないです。
客から見た大手不動産会社のデメリット・悪い点は、次の2つです。
大手不動産会社は特定の地域ごとの自社管理物件が少ないですし、オーナーと親密な信頼関係を築いていることも少ないので、交渉ができずに融通が利かないことも少なくありません。
また、共同仲介になることが多いため、ほかの中小不動産会社への空室確認の問い合わせ件数が増えてしまいます。
候補物件が多いと、それだけ空室確認の問い合わせ件数が増え、空室確認だけでかなりの時間がかかり、イライラしてしまうことも少なくありません。