試用期間中に解雇されても仕方ない?諦めない&早めの切り替えが◎!

「試用期間中に解雇されたら諦めるしかない」

「試用期間中は会社都合で解雇されても仕方ないよね?」

わかります。

試用期間というのはお試し期間だから、会社から

「君、明日から来なくていいよ」

と言われたら、

「仕方ないな。試用期間中だし。僕の能力不足だったのかもしれないし」

と思ってしまいますよね。

 

でも、試用期間中に解雇になったら簡単に諦めてはいけません。

試用期間中でも採用している以上、会社は簡単に解雇することはできないからです。

 

試用期間と解雇の法的な位置づけについて、また試用期間中に解雇になるケース、試用期間中に解雇された時の対処法について詳しく説明していきます。

 

試用期間中の解雇について正しい知識を持てば、あなたは泣き寝入りして損をすることはありません。

また、たとえ解雇されてもより良い未来をつかみ取ることができるはずです。

試用期間中の解雇は簡単にはできない!

試用期間中の解雇は会社都合で簡単にできるものではありません。

「試用期間」とは、とても曖昧なものですよね。

お試し期間なんて言われていますが、

「お試しって結局何?本採用とどう違うの?」

と考えてしまうこともあるでしょう。

 

法律用語でいうと、試用期間は「解雇権留保付雇用契約」という状態になります。

つまり、試用期間中でもきちんと「雇用契約」を結んでいるのです。

だから、採用されて雇用契約を結んでいる以上、試用期間中の解雇は会社都合で簡単にできないのです。

 

ここで「解雇権留保付」という言葉を見ると、

いつでも解雇できるの?

と思うかもしれません。

 

でも、大丈夫です。

試用期間中の解雇の判例(神戸弘稜学園事件)から、たとえ試用期間中でも会社は解雇権(簡単に解雇できる権利)を行使できないとしています。

 

ここで、厚生労働省のホームページから試用期間中の解雇の判例の説明を引用します。

 

試用期間である以上、解約権の行使は通常の場合よりも広い範囲で認められますが、試用期間の趣旨・目的に照らし、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当とされる場合にのみ許されます。

引用元:「「試用期間」に関する具体的な裁判例の骨子と基本的な方向性

 

これを簡単に説明すると、

  • 本採用よりは会社都合で解雇しやすいことは間違いない
  • でも、合理的な理由がないと解雇できない

ということですね。

 

だから、試用期間中に解雇されたら

「試用期間中だから仕方ない」

と諦めてはいけないのです。

これは、試用期間中の解雇だけでなく、試用期間終了後に本採用をされなかった場合にも適用される判例です。

 

ちなみに、試用期間を延長された場合の判例も出ています。

試用期間を延長された判例は、「ブラザー工業事件」という裁判です。

 

その適性を判断するのに必要な合理的な期間を越えた長期の試用期間は、公序良俗に反し、その限りにおいて無効と解されます。

引用元:「「試用期間」に関する具体的な裁判例の骨子と基本的な方向性

 

試用期間を延長することには特別な問題はないのですが、長すぎる試用期間は認められないという判例が出ているのです。

一般的には試用期間は3~6ヶ月が妥当であり、最長でも1年間であると考えられています。

 

試用期間中の解雇で会社都合や能力不足が認められるケース

試用期間中の解雇は簡単にはできません。

でも、合理的な理由があって、社会通念上

「その理由なら試用期間中の解雇も仕方ないよね」

と思えるような理由が必要です。

 

試用期間でクビになる人

試用期間でクビになる人、つまり試用期間中に解雇されても仕方がない人は次のような人です。

 

  • 勤務態度がとても悪い人
  • 無断欠勤や遅刻を繰り返す人
  • 履歴書に嘘を書いていたことが判明した人

 

試用期間中の解雇は履歴書に嘘を書いていた場合も起こり得るのです。

このようなケースは、明らかに会社ではなく本人が悪いので、試用期間中に解雇されても仕方がないと言えるでしょう。

 

試用期間中の解雇で能力不足が理由になるケース

試用期間中の解雇で能力不足が理由になることもあります。

仕事をしていく上で著しく能力が不足している場合は、試用期間中に能力不足で解雇されることがあります。

 

ただ、簡単には解雇されません。

会社側はあなたに十分な教育・指導をしたけれど、それでもスキル・能力の向上が見られなかった場合のみ、解雇は認められます。

 

試用期間中の解雇で会社都合が理由になるケース

試用期間中の解雇は会社都合で行われるケースもあります。

ただ、会社都合での解雇も能力不足と同様に、簡単に認められるわけではありません。

 

試用期間中の解雇が会社都合で認められるケースは、経営不振です。

これはいわゆる「整理解雇」に当たります。

経営不振で、解雇しないと会社が倒産してしまうという場合のみ、会社都合での解雇が認められます。

 

試用期間中の解雇の給料と対処法

試用期間中に解雇された時の給料と対処法を見ていきましょう。

これを知らないと大損&泣き寝入りをすることになります。

 

試用期間中の解雇は給料をしっかりもらう!14日以内は別…

試用期間中の解雇が先ほどのような理由で行われた場合、本採用での解雇と同じ扱いになります。

 

つまり、会社は労働基準法第20条で定められている次のどちらかを満たす必要があるのです。

  • 少なくとも30日前には解雇を予告する
  • 30日分以上の給料を支払う

 

だから、試用期間中の解雇は給料をしっかりもらう

さらに1ヶ月分の給料も貰える権利もあります。

 

これを忘れていて、

「試用期間中の解雇だから給料はもらえなくても仕方ないよね」

と泣き寝入りすると、大きな損をすることになります。

 

ただ、例外はあります。

それは試用期間中の解雇が入社後14日以内に行われた場合です。

あなたがその会社で働き出してから、試用期間中の解雇が14日以内に行われた場合、30日前の解雇予告、もしくは30日分の給料は適用になりません。

これは労働基準法第21条で決められています。

 

雇用期間中の理不尽な解雇は冷静に対処を

雇用期間中に理不尽に解雇されたら、冷静に対処しましょう。

経営不振などの明らかに合理的な理由ではなく、雇用期間中の解雇を会社都合で理不尽にされてしまったら、まずは直属の上司に

「お時間をいただけますか?」

とお願いして、解雇の理由などを聞いて話し合いましょう。

もしかしたら、お互いに誤解している部分があって、雇用期間中の解雇に至ったのかもしれません。

だから、まずは冷静に話し合いを持ちましょう

 

話し合いを持っても、

理不尽な解雇!!!

と思ったら、「労働基準行政の相談窓口」に相談してください。

厚生労働省管轄の相談窓口に相談すれば、解決の糸口が見つかるはずです。

相談する時は、あなたの状況を正しく把握してもらうために、

  • 会社名
  • 採用日
  • 解雇を告げられた日
  • 解雇理由
  • 上司と話し合いをした内容

これらのメモを取って、手元に置きながら相談すると良いでしょう。

 

試用期間中に解雇されたら切り替えて前を向いたほうが絶対に得!

試用期間中に解雇されたら、悔しいですよね。

特に、理不尽な理由で解雇されたら、

「絶対に辞めたくない!」

と思うものですし、会社に恨みを持つこともあるでしょう。

 

ただ、解雇された会社にこだわりすぎるのは、はっきり言って

時間の無駄!

だから、

「ブラック企業に引っかからなくて良かった」

と気持ちを切り替えて、前を向くべきなんです。

 

そんな会社にしがみついても辛いだけ

試用期間中に解雇されたら、

「せっかく就職した会社なんだから、何とか働き続けたい」

「また転職活動をするのは辛い」

と思って、今の会社に何とか解雇を撤回してもらえないか考えると思います。

 

その気持ち、よくわかります。

また転職活動をするのは嫌ですよね。

 

でも、長い視点で考えてみてください。

試用期間中に不当解雇をする会社は、どう考えても

超ブラック企業です。

 

そんな会社にしがみついて何とか本採用に至っても、地獄のような暗い&辛い未来しか待っていません。

 

だから、

「ブラック企業だと試用期間中に気付いてラッキー!」

「試用期間中に解雇してくれてありがとう。これでホワイト企業に転職できる!」

と思うようにした方がハッピーな未来が待っているはずです。

 

徹底抗戦はおすすめできない

試用期間中に解雇された人は、会社に恨みを持ちますよね。

その気持ちはよくわかります。

「この俺を解雇するなんて!俺の将来台無しだよ!人生の計画が狂ったじゃないか!」

と思いますよね。

「理不尽な解雇だから訴えてやる!」

と思うかもしれません。

 

「裁判で勝訴したら、解雇を取り消してもらえるかも」

「慰謝料を貰えるし、会社にダメージを与えられるから一石二鳥だ!」

とウハウハしている人もいると思います。

 

でも、裁判を起こすなど事を荒立てるのはあまりおすすめできません

なぜなら、あなたに風評被害が及ぶ可能性があるから。

アメリカのように訴訟が日常茶飯事の社会なら良いのですが、日本はそうではありません。

日本の場合、裁判を起こした人をトラブルメーカーとか面倒くさい人、関わりたくない人とみなすことが多いです。

 

訴訟を起こしたことが広まったら、たとえ解雇が取り消されても、会社内で肩身が狭くなります。

 

また、今後転職する時には内定は貰いにくくなるでしょう。

今どき、内定を出す前に求人に応募してきた人の名前でインターネット検索をするのは普通ですから、いつ何時、あなたが訴訟を起こしたのか知られるかわかりません。

 

だから、あなたの未来のためにも、訴訟などの徹底抗戦はおすすめできないんです。

 

給料はしっかり貰ってさっさと転職

試用期間中に解雇されてしまった場合は、給料はしっかりもらってさっさと転職しましょう。

解雇理由に納得できた場合はもちろん、納得できない場合もです。

 

いつまでも試用期間中に解雇されたことにこだわって、ズルズルと引きずっていたら、前に進むことはできません。

試用期間中の解雇にこだわりすぎたら、ホワイト企業に転職するチャンスをどんどん逃しているのと同じです。

 

それなら、

「ブラック企業とサヨナラできる!試用期間中に解雇してくれてありがとう!」

この気持ちで、今度こそ不当解雇をしないようなホワイト企業に転職した方が良いですよね。

 

試用期間中の解雇は履歴書にきちんと書こう!

「試用期間中のことは、履歴書に書くべき?お試し期間だから必要ない?」

と悩むかもしれませんが、最初に言ったように試用期間中と言えども、雇用契約を結んでいますので、あなたの職歴になります。

だから、試用期間中に解雇されても履歴書にはきちんと書きましょう

嘘をつくと、それが原因でまた試用期間中に解雇されるかもしれません。

 

「試用期間中に解雇されたことを知ったら、印象が悪くなりそうで…」

と思うかもしれません。

でも、あなたの解雇理由が理不尽なもので、不当解雇だったら、それを正直に伝えれば、その会社がホワイト企業ならきちんと判ってくれるはずです。

だから、試用期間中に解雇されても履歴書は正直に書いてください。

 

試用期間中に解雇されたら転職エージェントを使って転職しよう

試用期間中に解雇されたら、気持ちを切り替えて、早めにホワイト企業に転職しましょう。

 

そうすれば、より良い未来が待っていますし、将来は必ず

「あの時、試用期間中に解雇されて良かった~」

と思えるはずです。

 

今度こそホワイト企業に転職したいですよね。

そのためには、転職エージェントを使って転職すると良いですよ。

 

転職エージェントを使えば、担当のキャリアアドバイザーがブラック企業かどうかを徹底的に調べてくれます。

また、今までに試用期間中に解雇した事例はあるかどうかもチェックしてくれます。

 

だから、転職エージェントを使えば、今度こそホワイト企業に転職できて、将来的に解雇されたことを良い思い出にできるようになりますよ。

 

試用期間中に解雇されたい・クビになりたいと思ったら早めに申し出て!

話の方向性はちょっと変わりますが、試用期間中に解雇されたい、つまりクビになりたいと思う人もいると思います。

今までとは真逆の人ですね。

 

「思ったような会社じゃなかった」

「ブラック企業すぎて、こんな会社では長く働けない!」

と思うこともありますよね。

 

そういう時は

「試用期間中に解雇されたい、試用期間中にクビになりたい」

「どうすれば、解雇されるのか?」

と考えると思います。

 

解雇されたい、クビになりたいと思うと、仕事をさぼったり、無断欠勤したりしようと思うかもしれませんが、さすがにそれはNGです。

試用期間中に解雇されたい、クビになりたいと思ったら、早めに退職を申し出れば良いだけの話です。

 

詳しくは、「試用期間中に退職したい!辞めたいなら利点・欠点の比較で決断を!」で説明していますので、ぜひ読んでみて下さい。

執筆者情報

天職エージェント編集部
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