新人で仕事を始めた頃には「2年目になれば少しは仕事も覚えているだろうし、今よりも楽しくなっているはず!」と想像していませんでしたか?
残念ながら現実は残酷です。
多くの2年目の看護師が「仕事行きたくない」「インシデントが怖い」といった悩みを抱えています。
なぜこのような問題が、2年目の看護師に起こってしまうのでしょうか?
ここでは、その原因について掘り下げ、問題をどのように解決していけばよいのかについて考えていきましょう。
目次
仕事に行きたくない2年目看護師の苦悩
2年目の看護師が「仕事行きたくない!」と感じてしまう原因はどこからくるのでしょうか?
ここではその原因について「自分はダメだと責める」「先輩に対して不満を持つ」「職場の環境に苛立つ」の3つの視点から探ります。
仕事に行きたくない理由その一:自分はダメだと責める
2年目の看護師というのは、とても微妙な立場です。
一年目はプリセプティーとして仕事をしているので、「知らなくて当たり前」「聞いてから動け」という状況下で、先輩たちのフォローを受けながら働いていました。
それが2年目に入ると、急に自分を気にかけてくれる人がいなくなります。
先輩たちの注意は新しい一年目の看護師に向き、2年目のあなたは独り立ち。
まだ2年目ですから、知らないことや判断が難しいことがあっても当然なのに。
それなのに、2年目の看護師には、プリセプターもいなければ、気にかけてくれる先輩もいません。
先輩を頼れない不安と、新卒ではないというプレッシャーに挟まれるのが2年目の看護師。
困った時には先輩に聞けば良いと頭ではわかっていても、厳しい先輩もいれば、気分屋の先輩もいて、気が引けてしまいます。
どうしようもなくて先輩に頼った時には、「もう2年目でしょ!」「まだ覚えてないの?」といった厳しい言葉が返ってくることもあるでしょう。
先輩を恐れる気持ちは、「先輩に怒られたくない。だからもう聞かない」という判断につながってしまいがちです。
自信のない看護技術があっても先輩には質問できないから、不安を抱えながらも実施する。
結果、インシデント発生。
困っている患者さんがいて、なんとか問題を解決したいけれど、先輩には聞けないからうやむやになってしまう。
結果、患者さんからの苦情が発生。
「2年目になって急にミスが増えた」「インシデントばかり起こしている」「苦情も受けるようになった」そんな風に自分を責めている人には、こういった背景があるのだろうと思います。
本当は患者さんを第一に考えて看護がしたいのに、安全安楽を優先して慎重に仕事をしたいのに、そんな看護への想いは、先輩に怒られたくないという自分の弱さの中で実現を困難にしてしまいます。
結果、「仕事行きたくない!」という思いが抑えられなくなってしまうんですね。
あるいは、「またインシデントを起こしたらどうしよう」といった不安で頭がいっぱいになってしまって、気が付いてみれば自身の看護観を見失ってしまっている人もいるかもしれません。
一年前に新人で入職した時に抱いていた看護への理想、まだ大切に心に留められていますか?
仕事に行きたくない理由そのニ:先輩に対して不満を持つ
「先輩に怒られたくないから質問できない」と、弱い自分を責めている人の中には、先輩に対しても同時に不満を持っていることが多いのではないでしょうか。
2年目になると、先輩の様子や実際の看護の流れを観察する余裕もでてきますから、先輩看護師の嫌な部分も目につきやすくなります。
そこで見えてしまった現実は、もしかしらた理想とはかけ離れているものだったかもしれません。
バリバリと仕事をこなす憧れの先輩は、実は患者さんを一番に考えて看護をしていたわけではなく、ただただ早く仕事を終わらせていただけだった。
後輩の成長のために厳しく指導をしてくれていると思っていた先輩は、ただの感情的な人で、忍耐強く後輩をサポートするつもりなんて全くない人だった。
そんな先輩たちの本性に気づいてしまっては、仕事の質問だって簡単にはできませんよね。
勇気を持って質問をしようとしても、信頼できる先輩がいないのであれば身も蓋もありません。
「良い先輩がいない職場で働くなんて無理!」「仕事行きたくない!」と思ってしまっても、無理はありません。
仕事に行きたくない理由その三:職場の環境がもたらす苛立ち
職場環境の良し悪しについても、2年目になると冷静な目で判断することができるようになってきます。
多くの病院では、一年目はプリセプティー、3年目にプリセプター、となることが多いですよね。
間に挟まれた2年目は、何かと大変な業務を任せられがちです。
3年目でプリセプターになる前に色々と経験を積んでおいてもらいたい、という思惑もあるのかもしれませんが、2年目の看護師はまだまだ一人前ではありません。
それなのに重症患者さんを任せられたり、自信がないままどんどん夜勤に入らされたりすれば、戸惑いだって感じますよね。
相談できるプリセプターもいない中で責任のある業務を任されることに苛立ちを感じたり、「インシデントを起こさないだろうか?」と大きな不安を感じたりすることもあるでしょう。
こんな環境はやはり、「仕事行きたくない!」という思いに繋がってしまいます。
仕事に行きたくない苦悩から2年目看護師が解き放たれるためには?
さて、以上のように、仕事に行きたくない2年目看護師の苦悩には、2年目看護師ならではの原因があることがわかりましたね。
そんな苦しみを抱えて、「仕事行きたくない!」と思いながらも毎日重い足を動かしているのでは、辛さは募るばかりです。
この苦しみは、どう解消すればよいのでしょうか?
まずは自分と向きあって、自分自身を変えることができるかどうか検討する
まずはゆっくりと自分と向き合ってみましょう。
特に、先輩を頼ることに恐れを感じている人にはおすすめの方法です。
2年目の看護師は、もうプリセプティーではありませんが、まだまだ新人です。
新人はミスをするものですし、一人で判断できないことだってたくさんあって当たり前です。
そもそも、多くの病院ではチームナーシングを取り入れており、チーム内での情報共有は必須です。
何年目の看護師であろうと、個人的判断で問題解決をすることは、ほぼありません。
それに、チームナーシングのメリットの一つは、「経験の浅い看護師の養成がしやすい」ということでもあります。
そんな中で仕事をしているのですから、2年目の看護師が先輩に質問をして怒られたとすれば、問題があるのは明らかに先輩の側だと思って良いのです。
また、自分はミスやインシデントが多いと思い込んでいるかもしれませんが、それは2年目の看護師によくみられる傾向であって、あなたが特別にダメだということではありません。
1年目の間はプリセプターや先輩看護師がさり気なくフォローしてくれていたために、ミスが目につかなかっただけです。
ミスはどうしても起こります。
そのミスがインシデントにまで繋がらないように、先輩に相談しながら仕事をしていくことが大切なのです。
このように考えると、先輩をむやみに恐れたり、ミスを起こしてしまう自分を責めたりする気持ちも少しは軽くなりませんか?
割り切った気持ちを持って、怒られても良いから先輩に聞く。
自分が怒られても、それで患者さんに安全な看護を提供できるならその方が良い。
そんな風に思えるようになれば、「仕事行きたくない!」という気持ちも少しは消えて、このまま今の職場で頑張っていくことができるかもしれませんね。
転職を視野に入れる
自分と向き合ってみたけれど、やっぱりこの「仕事行きたくない!」という気持ちを乗り越えることはできない。
そんなあなたは、転職を視野に入れて考えていくべきだと思います。
2年目での転職には抵抗を感じる人も、少なからずいるでしょう。
だからと言って、不安や不満を抱えながら無理矢理仕事を続けていても、患者さんに良い看護を提供することはできません。
それに、2年目だからこそ身軽に動けるという利点もあります。「あと少し頑張ろうか・・」などと考えて引き延ばしているうちに、委員会や看護研究などを任されてしまって辞めるに辞められない状況に陥ってしまう、なんていうこともあります。
しかし、現実的に仕事に行きたくない2年目の看護師の転職には難しさが伴うのも事実です。
上手に転職を成功させればその後のキャリアにつなげられますが、職場選びを間違えてしまっては、逆にキャリアを傷つけてしまうことにもなりかねません。
つまり、2年目の看護師が転職する場合は、上手に条件に合う転職先を見つけて、次こそ長く勤められる職場を手に入れる必要があるのです。
次の項目では、仕事に行きたくない2年目の看護師が転職を成功させるためには、どのように転職先の条件を絞れば良いのかを考えていきましょう。
仕事に行きたくない2年目の看護師が転職するなら、条件はこう絞る!
前述した仕事に行きたくない2年目の看護師の苦悩が解消されるための条件を、ここにあげています。
質問のしやすい先輩がいる
2年目の今の職場では先輩を頼ることができないがために、ミスやインシデントが起きやすくなってしまっていますよね。
ということは、次の職場には忍耐強く後輩を育ててくれる良い先輩がいることが必須条件ということになります。
先輩に聞きながら仕事をすることができれば、自然とインシデントも起こしにくくなります。
そういった環境で仕事ができれば、自分に自信を持つこともできますし、「仕事に行きたくない」という気持ちにもならず、仕事をもっと楽しめるようになるでしょう。
重症患者さんを受け持たなくてもよい
2年目でまだまだ一人前の看護師ではないのに重症患者さんを任されてしまっている人。
そのうえ先輩にも質問しにくく、インシデントを起こすのではないかと不安を感じている人。
その不安を取り除くためには、2年目にはまだ重症患者さんを持たせない方針を持っている病院への転職、あるいは「まだ重症患者さんを受け持つ自信がない」という思いを汲んでくれる場所への転職が必要になります。
看護師不足で余裕のない病院では、やむを言わせずに受け持ち患者さんを決められてしまいます。
こういった希望を通してくれる病院を探すには、基本的に余裕のある勤務体制が整えられている現場、ということになると思います。
そういう現場では、「仕事に行きたくない」という気持ちにはならないでしょう。
思い切って無床クリニック
あるいは、少し極論にはなりますが、まだ2年目でも無床クリニックに的を絞るという選択肢もあります。
クリニックによっては「3年の臨床経験」を雇用条件にしているところもありますが、条件を定めていないところもたくさんあります。
クリニックであれば、重症者はそもそもいませんし、受け持ち制度もありません。
だいぶ楽な気持ちで仕事ができそうですよね。
楽な気持ちで仕事ができれば、「仕事に行きたくない」という気持ちにはならないはずです。
ただし、2年目でクリニックで働くということが、これから先の看護師としてのキャリアに不利な方向で働くかもしれないことも承知しなければなりません。
この先、いつかまた病棟勤務がしたくなった時、やはり夜勤手当が欲しいと思い直した時、病棟勤務経験1年とクリニックの経験だけでは、思うような転職先を見つけることが難しくなってくることもあります。
看護師転職サイトを活用して、条件通りの転職先を手に入れよう!
具体的に仕事に行きたくない2年目の看護師が転職先に求める条件をみていきましたが、実際にこの条件を提示して転職先を見つけることは、かなり難しいです。
そもそも求人情報に、先輩はどんな人がいるのか、どの程度の重症者がいて、どの程度のキャリアの看護師が担当するのか、看護師数に余裕はあるのか、なんてことは、書かれていませんよね。
ここで大いに活躍するのが、看護師転職サイトです。
転職サイトのコンサルタントは、求人先の内部情報に精通しています。
あなたと先方の間に入って交渉だってしてくれます。
まだ2年目である看護師が、どうすれば転職を成功させることができるのか。
そんなノウハウだって、教えてもらうことができます。
新しい職場で再び同じことが繰り返されないように、ぜひ転職サイトを活用してくださいね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
2年目の看護師というのは何かと辛い立場にありますが、それは必ずしも我慢して乗り越えなければいけない壁というわけではありません。
問題解決の方法はありますし、理不尽な我慢を続けることが、良い結果に繋がるとは思えません。
これから長い看護師生活が待っています。
「看護師になって、やっぱりよかった!」と思える未来を手に入れるためにも、自分を変えるか職場を変えるか、何らかの形で一歩踏み出せる方法を、考えてみてくださいね。
執筆者情報
- 天職エージェントは、厚生労働大臣から転職サポート(有料職業紹介事業)の許可を受けた(許可番号13-ユ-314851)株式会社ドリームウェイが運営するメディアです。転職サポートの経験を活かし、定期的なリライトや専門書を用いたファクトチェックなど、ユーザーに正確な最新情報を届けられるよう努めています。
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