管理薬剤師になるか?それとも、一般薬剤師のままでいるか?
それは、調剤薬局で働く薬剤師の誰もが迎えるキャリアの大きな分岐点。
どちらを選ぶかによって、薬剤師としてのあなたの人生が左右されるといっても過言ではありません。
管理薬剤師のお給料は高額です。
一般薬剤師の方は、管理薬剤師の職につくことで大幅に年収を引き上げることができます。
転職を検討されている一般薬剤師であれば、「管理薬剤師になれば、あなたの希望する条件を満たせるどころか、希望年収を大きく上振れさせることも可能です。どうしますか?」という打診を受けることもしばしばあるでしょう。
しかし、給与が高いからといって、じゃあ管理薬剤師になろう!・・・と単純に判断できる話ではないですよね。
高収入をもらえることは大変なメリットですが、管理薬剤師として働く上では、デメリットを受ける部分もあります。
「お給料は魅力的!でも、割に合わないならやりたくないなぁ、どうしよう・・・。」
と、あなたは悩んでしまうことでしょう。
あなたの悩みを解決するためには、管理薬剤師という仕事の内容を正確に理解し、働く上でのメリットがデメリットを上回るのか、しっかり検証を重ねる必要があります。
この記事には、そんなあなたが必要としている情報がたっぷり詰め込まれています。
あなたはこの記事を読むことで、必要な情報を得て、管理薬剤師として働く上でのメリットがデメリットを上回れるか、その答えを導きだせるようになるでしょう。
そしてその結果、もし、あなたが管理薬剤師にチャレンジする決心がついたなら、記事の最後で、管理薬剤師としてのメリットを最大化するためのテクニックを授けたいと思います。
最後まで読んだ時、あなたの迷いは晴れ、スッキリした気持ちで答えに向かって、新しいスタートをきることができるでしょう。
目次
まずは管理薬剤師の職務について正確に理解しよう
管理薬剤師のメリット、デメリットについて考える前に、まずは、管理薬剤師の職務について一つずつ確認してみましょう。
管理薬剤師とは、薬局を実施で管理する管理責任者です。
薬局には、管理薬剤師を設置することが法で義務付けており、その責務は、次のように規定されています。
- 薬局の管理者は、保健衛生上支障を生ずるおそれがないように、その薬局に勤務する薬剤師その他の従業者を監督し、その薬局の構造設備及び医薬品その他の物品を管理し、その他その薬局の業務につき、必要な注意をしなければならない。
- 薬局の管理者は、保健衛生上支障を生ずるおそれがないように、その薬局の業務につき、薬局開設者に対し必要な意見を述べなければならない。
また、管理薬剤師は重い責務を負っているため、複数の薬局を兼務することを禁じられており、特別な許可を都道府県知事から得ない限り、他店舗で勤務することはできません。
では、管理薬剤師の具体的な仕事内容について確認してみましょう。
従業員の監督
薬剤師はもちろんのこと、事務員等の薬剤師以外のスタッフも含めた全ての薬局の従業員が法令を遵守して、医薬品を安全に取り扱い、調剤、服薬指導、薬歴管理、接客等の業務を適切に行っているか、指導、監督します。
薬学的な専門知識が必要で従業員が対応できないような場合においても、薬局の最終責任者として率先して対応に当たります。
医薬品の管理
薬局内の医薬品、その他の物品等(医薬部外品、化粧品等)を適正に管理します。
保管場所は行政から許可を得たエリアを守り、遮光や冷所等、規定の保管条件に従って保管し、品質を維持します。
また、期限切れ、不良品等の医薬品が患者さんの手に渡らないようチェックし、発見時には処分を行います。
麻薬、覚せい剤原料など、特別な管理が必要な医薬品については帳簿を作成し、在庫や入出庫、取り扱い方法が適正か、常にチェックします。
情報管理
必要な情報が常に入手、活用、提供できる体制を整備し、緊急安全性情報等、医薬品の有効性・安全性情報を収集します。
必要に応じ、厚生労働省への副作用情報の報告を行います。
開設者への意見具申
管理者として責務を遂行するために、現場の運用や設備や器具に不良があった場合は、開設者に対して改善を申し入れます。
行政対応
開設許可証や麻薬免許証の更新、勤務薬剤師の変更届など、必要に応じて各種公的手続きを行います。
また、保健所による立ち入り検査時に責任者として対応に当たります。
医療機関との連携
門前の病院やクリニックと、新規採用薬の取り扱い、ジェネリック変更や処方の方針、疑義照会の手続き方法等について打ち合わせや確認を行います。
本部との連携、人事の補助
薬局の運営状況について本部に報告し、方針の確認や打ち合わせを行います。
また、従業員の残業時間や勤務時間の管理や人事業務のサポートを行います。
多くの薬局で、シフトの作成やパートの雇用面接が管理薬剤師に一任されています。
その他、薬局の運営
- 売り上げの管理や、処方せん枚数や集中度、棚卸結果等、薬局運営上のデータの整備を行います。
- 薬局管理簿を記載し、不在時は管理代行者に記載させます。
- 欠品やデッドストックが発生しないよう、在庫量の管理を行います。
- 医薬品卸業者との打ち合わせや発注先の選定を行います。
- 薬局内での研修会を開催するほか、地域の薬剤師会等での活動に参加します。
- 薬局内のレイアウトや導線を決定します。
このように、管理薬剤師になると、薬局の管理責任者としての責務やマネジメント業務が加わります。
管理薬剤師のデメリットって何?
管理薬剤師の業務について、理解していただけたところで、早速、あなたが管理薬剤師になった時にうけるデメリットについて確認してみましょう。
勤務時間が長い
管理薬剤師の勤務時間は、一般薬剤師の勤務時間よりも長くなります。
一般薬剤師の残業時間はだいたい月10~15時間程度ですが、管理薬剤師になると、1日30分~1時間程度、月20時間程度は残業時間が発生するケースが多くみられます。
薬局によっては、残業時間が30時間を超えるケースもあります。
管理薬剤師になると、一般薬剤師とは異なる業務も担当することになりますが、店舗の営業時間内は、患者さんへの対応を優先し、一般薬剤師同様、調剤や服薬指導に当たることになります。
そのため、管理薬剤師特有の業務を行う時間が、どうしても営業終了後にずれこみがちです。
勤務時間が一般薬剤師よりも増えてしまうことは、職務の性質上、仕方のないことでしょう。
また、薬剤師の人員が不足している薬局では、朝や夜など人員が不足する時間帯には、管理薬剤師が通常の勤務時間に追加して、シフトに入ることがあります。
これも、管理薬剤師の勤務時間を長くする要因の一つです。
残業代が出ない
管理薬剤師になると、残業しても残業代が支給されなくなるケースが多数見受けられます。
多くの場合において、管理薬剤師の給料には見込み残業代が含まれています。
例えば、「月収◯◯万(見込み残業代△△時間分含む)」というような給与形態です。
この場合、月に△△時間までは、残業代はすでに支給したとして扱われ、残業しても残業代は支給されません。
また、調剤薬局の薬剤師の給与は、高額になればなるほど、年収契約を求められる確率が上がるため、年収契約を結んでいる管理薬剤師も多数います。
月額給与は、年収を決定してから支給月数の12か月、またはボーナス月分として2月を加えた14か月で、年収を割ることで算定されます。
この場合も、残業代を含んだ年棒制の契約とされ、残業代が支給されないケースが多いです。
本来であれば、年棒制であったとしても、残業代の支払いは明確に区別すべきでしょうが、薬局には労働組合のようなものはなく、個人で交渉しなければならない状況にあるため、なかなか容易には改善を求めることができない状況にあると言えます。
仕事内容が煩雑
先に述べた通り、管理薬剤師は一般薬剤師とは異なる業務も担当しなければなりません。
単純に仕事量が増えるというだけでなく、仕事内容も煩雑となります。
特に、マネジメント業務が加わり、経営者的な視点も必要とされる点は、一般薬剤師との大きな違いです。
業務に慣れるまではこの点に苦労する薬剤師も多くいます。
また、安全に医薬品を使用・管理するための責任者であるため、管理薬剤師は業務上の重い責任を負います。
副業禁止
管理薬剤師は、他の店舗で勤務することができません。
同一会社のチェーン店舗においても、兼務は認められていませんので、当然、休日に他の薬局でアルバイトをするなどの副業を行うことはできません。
管理薬剤師のメリットって何?
次は、管理薬剤師になることで得られるメリットについて検証してみましょう。
高収入
一般薬剤師の年収の目安は、400~550
円です。550万を超えると、だんだんと昇給率が下がり頭打ちになってきます。
それに比べて、管理薬剤師の年収は500万円~700万円と高く、地方の薬局では700万以上、更には800万円ということも珍しくありません。
管理薬剤師は、一般薬剤師に比べてかなり高額な給与をもらうことができるといえます。
報酬が高いという点は、管理薬剤師になる上での大きなメリットでしょう。
薬局内での強い発言力 決定権があなたのものに
管理薬剤師になって、もっとも変化を感じることは、薬局内での立場の変化でしょう。
薬局内での細かい現場運営は全て管理薬剤師に任せられていますので、今までとは発言力が違います。
あなたは薬局内の様々な業務の方針を、自分の権限で決定することができます。
一般薬剤師として勤務していた時、管理薬剤師の方針に不満を感じたことが、ありましたよね?
管理薬剤師の考案した方法より、自分の考案した方法の方が良いはずなのに却下されたなど、仕事の方針に関わることだけでなく、シフトの組み方が希望にそぐわないとか、普段の生活面に関わるようなことでも、管理者の方針と合わなかったり、意見が通らなくて歯がゆい思いをしたことが何度もあったはずです。
でも、あなたの意見はあくまでも、いち一般薬剤師の意見。通らなくても、今までは仕方なかったですよね。
しかし、あなたが管理薬剤師になれば、状況は一変します。
決定権を握っているのは、あなたなのです。
業務の導線をどうするかから始まって、医薬品棚のレイアウト、患者さんへの問診票のフォーマット、シフトの組み方、はてには、OTCのディスプレイ方法まで、全てにおいてあなたの考えを優先して反映させることが可能なのです。
薬局を自分のカラーに染めることができます。
あなたが管理者として薬局を運営した結果、患者さんや医師から高評価を得たり、売り上げを伸ばすことができれば、それはダイレクトにあなたへの評価に繋がります。
あなたは自分の能力を存分に発揮できることに喜びを感じ、結果が出せたことに、何にも代えがたい手ごたえと満足感を得ることができるでしょう。
会社の方針に関われる
あなたの発言力が強まるのは、薬局内に限りません。
本部においても、一般薬剤師からの提案と、店舗の運営責任者である管理薬剤師からの提案では、発言の重みが全く違います。
管理薬剤師が開設者に改善を求めることは法で定められた義務であり、あなたが改善を求めれば全く無視というわけにはいきません。
また、管理薬剤師になれば、経営的な数字に触れる機会も増え、今まで見たことのないような機密レベルの高い情報も、あなたの元へ回ってくるようになるでしょう。
会社の運営方針に深く関わる内容について、意見を求められる機会も増えます。
あなたは、一般薬剤師の頃とは全く次元の違う立場で、会社の方針に関わる面白さを味わうことができるでしょう。
上級職へのステップ
多くの調剤薬局では、管理薬剤師の上にも、エリアマネージャーなどの更なる上級職のポストが用意されています。
上級職のポストにつくためには、管理薬剤師の経験は必須です。
管理薬剤師になることは、社内で昇進するための第一歩なのです。
また、管理薬剤師になっていると、会社が新たなプロジェクトを立ち上げたり、新しいポストを設置する際には、優先して抜擢されやすくなります。
転職時に優遇される
管理職の経験があるかどうかは、転職時に必ず確認を受けるポイントです。
これは、薬剤師に限らず、どこの業界においても同じです。
管理者を経験していると、転職の際にあなたは大きなアドバンテージを得ることができます。
管理薬剤師を経験している方は、十分な知識と経験に裏付けされた高い能力を持ち、より経営者に近い視点で業務を遂行することができる、即戦力となる人材であると評価されます。
当然、待遇も優遇され、将来の幹部候補として扱われます。
調剤薬局の業界で優遇されるだけでなく、別の業界に転職した際にも、管理職経験者として評価され、いきなり重要なポストに就けることもあります。
調剤薬局の管理薬剤師は、薬剤師が就任できる管理職の中でも、容易に到達できるポストです。
同じ管理職でも、病院の薬剤部長となると、限られた方しか到達できません。
管理職のキャリアを手に入れる、絶好のチャンスであると言えます。
特別な業務を担当し、貴重な経験を積んでスキルアップ
管理薬剤師になることで担当する業務は、管理薬剤師でなければ、たとえあなたがやりたいと望んでもできない特別な仕事です。
医師やナース、ケアマネージャーなど、他の医療機関の関係者と打ち合わせをする、保健所の検査に会社を代表して対応する、薬局内の問題をひとつずつ解決する、人材を育てて成長を見守る。
そんな新しい業務の数々に、あなたは今まで感じていたやりがいとは、また違う種類のやりがいを感じることでしょう。
貴重な経験を積むことで、あなたは薬剤師としても、社会人としても、数段レベルアップを遂げることができるでしょう。
人脈という宝
管理薬剤師になることで、あなたは人脈を大きく広げることができます。
社内では、他のエリアの管理薬剤師やマネージャーなどの上級職の幹部。
社外では、製薬会社や卸業者の担当者や医療機関の医師、看護師、病院薬剤師。
更には、地域の薬剤師会の活動などを通して、他社の薬局長とも交流する機会が増えます。
仕事を通じて信頼関係を築いて得た人脈は、様々な場面であなたの力となります。
有益な情報をいち早く得たり、問題が起きた時に助けてもらったり。
物事の見方について気づかされることもあるでしょうし、時には思いがけないチャンスをもらうこともあるでしょう。
独立への道が開ける
実家が薬局を経営している薬剤師が、将来薬局を継いだ時のため、敢えてチェーンの薬局に入ってノウハウを勉強する、という話はよく聞く話です。
実家が薬局でなければ、独立なんて自分には関係ない話と思っている方も多いでしょうが、そうではありません。
管理薬剤師をしていると、独立への道がいきなり開けることがあります。
調剤薬局の業界で、M&Aが進んでいることはご承知の通りです。
合併の際に、他の薬局とエリアが大きく離れている薬局は、切り離されることがあります。
合併でなくても、チェーン展開している薬局の一つを、なんらかの事情で切り離したいと考え、薬局の譲渡先を探すことは珍しいことではありません。
この時、真っ先に声をかけられるのは、その店舗の管理薬剤師です。
管理薬剤師であれば、すでに薬局内の状況、処方内容の特徴は把握済みで、門前の医療機関の医師とも信頼関係が築けています。
日々の業務に支障をきたすことなく、スムーズに経営者を移行させることが可能です。
そのため、通常よりも有利な条件で薬局譲渡の打診を受けて、自らの薬局を手にした薬剤師も数多くいます。
この他にも、薬局の譲渡先を探しているとか、医師が開業する予定がありパートナーを探している、という話は少なくありません。
管理薬剤師であれば、その人脈から声がかかるチャンスもありますし、運営のノウハウも取得しているので、チャンスを逃さず、ものにすることができるでしょう。
管理薬剤師のメリットはデメリットを上回れるか?
ここまで、デメリットとメリットについて確認してきました。
管理薬剤師になれば、確かに、勤務時間の長さ、残業、煩雑な業務内容、副業の禁止といったデメリットを受けます。
しかし、一方で、高収入、薬局内での発言力や会社の方針への関与、転職時の優遇、上級職へのステップ、貴重な経験とスキルアップ、人脈、独立のチャンスなど、魅力的なメリットも受けられることが分かりました。
果たして、デメリットとメリット、どちらが大きいのでしょうか。
短期的な目で見ると、ついついデメリットの方にばかりが目がいきがちかもしれません。
特に、勤務時間の長さや残業、副業ができないことについては、管理薬剤師の職務の特性上、避けられないデメリットと言えるでしょう。
しかし、業務の内容についてはどうでしょうか。確かに、管理薬剤師になったばかりの頃は、初めてのことばかりで大変だと感じる機会も多いでしょう。
でも、時間が経てば、いずれあなたも慣れます。
知識もスキルも上がります。
仕事に慣れれば、最初の頃に比べて困難を感じることも少なくなるでしょう。
また、管理薬剤師の業務は、管理者にならなければ、やりたいと思ってもできない特別な仕事です。
特別な仕事を通して貴重な経験を積み、スキルアップし、今までとは違うやりがいを感じることができることは、メリットでもあります。
必ずしも業務内容がデメリットであるとばかり言い切れません。
一方で、長期的な目で見ると、管理薬剤師になることで得られるメリットは、あなたの今後の人生に大きく影響を与えることばかりのように思えます。
高収入、誰からも高く評価される経歴、転職時に受ける優遇、独自の人脈、上級職への昇進、独立のチャンス。
これらは、あなたの将来を輝かしいものにする、強力な後押しとなってくれることでしょう。
確かに、管理薬剤師になる上では、デメリットもありました。
しかし、全ては、あなたの将来を輝かしいものにするための投資である、と言えるのではないでしょうか。
ただ医薬品の知識や調剤手技を向上させるだけなら、一般薬剤師のままでも十分です。
でも、もし、あなたが、もっと上のステージに上がりたいと考えているのならば、どうしても、管理薬剤師になる必要があると言えます。
目先の損にとらわれずに、人生全体を見渡してみましょう。
管理薬剤師になることは、あなたの人生を変える大きなきっかけとなります。
一般薬剤師として働き続けていただけでは、到底想像することもできなかった、新しい世界があなたの前に広がることでしょう。
管理薬剤師になることで、あなたは無限に広がる未来への可能性を手にすることができます。
10年後の自分を想像してみよう
10年後のあなたが働いている姿をイメージしてみましょう。
どんな姿が浮かびましたか?
管理薬剤師として、リーダーシップをとっている自分が思い浮かんだ方。
今よりも更に10年もの経験を積み重ねたあなた。患者さんからの信頼も厚く、後輩にも頼られ、社内でも重要な人材として発言力を持っていることでしょう。
自信に溢れた表情で、いきいきと仕事をしているのではないでしょうか。
毎日の業務にやりがいを感じ、自分の成長を実感しながら充実した日々を過ごしているのでしょうね。
今と同じく一般薬剤師として働く自分が思い浮かんだ方。
10年すれば、薬局スタッフも入れ替わっていることでしょう。
今の薬局長はエリアマネージャーへ昇進しているかもしれません。
あなたは、ずっと後から入社した若い管理薬剤師の指示の下、働いているのかもしれません。
薬局内のことについては、長く勤めあげたあなたの方が良く分かっているはず。
でも、あなたには相変わらず権限がありません。新しい薬局長にまたもや提案を却下されて、自分の立場の低さや能力が発揮できないことに、不満な表情を浮かべていないでしょうか?
また、一般薬剤師としての業務だけを行うことに、マンネリ化を感じていないでしょうか?
今後もずっと一般薬剤師でいることを選んで、10年後のあなたは満足した状態でいられるのでしょうか?
復職や退職後も有利となる、一生モノのキャリア
転職時に管理職を経験していると優遇されるということは、メリットのところでも話しましたが、自分で自主的に転職したいと思わなくても、女性の方は、結婚や出産で、この先、一時的に仕事をお休みしなければならなくなることもあるでしょう。
女性でなくても、家族の介護や自分自身の病気などで、一時的に職を離れなければならないこともあるでしょう。
復職を考えた時、管理職を経験しているということは、あなたにとって強い武器となります。
仕事をお休みする前よりも、好条件で復職することも可能です。
50代になれば、セカンドキャリアについて意識する機会もあるでしょう。
調剤薬局を定年退職した後、ドラッグストアに再就職する方は多数いらっしゃいます。
時短勤務でも良いとする募集が多いので、年齢を重ねていても、無理のない形で働くことができるためです。
ドラッグストアは、基本的に一人薬剤師です。
管理薬剤師経験者と一般薬剤師しか経験していない方が同時に面接に来たら、採用されるのはどちらだと思いますか。
管理薬剤師を経験していれば、あなたはいくつになっても、容易に良い待遇で転職できるでしょう。
管理薬剤師にならないことで、あなたが受けるリスク
管理薬剤師になることで受けるメリットが大きいことは分かったけど、少しでもデメリットを受けるのはイヤ。
一般薬剤師でいれば、メリットがない代わりにデメリットも受けないんだから、そっちの方がいいと思った方。
あなたは、一般薬剤師で居続けるリスクについて気づいていないのですね。
職場の働きやすさは、管理薬剤師次第。
たとえ、今の管理薬剤師があなたにとって好ましい方だったとしても、その方がずっとあなたの上司でいるとは限りません。
管理薬剤師が変われば、全く違う状況になります。
後任で来た管理薬剤師が問題のある人だったとしても、その人が強い権限を握ることになります。
それまで、上手くいっていた薬局が、管理薬剤師交代を引き金に一変。薬局内のスタッフは次々に辞め、新しいスタッフを用意してもすぐに辞めてしまう。
常に人員不足の状態で、あの管理薬剤師の下では長続きする人がいないという噂が立つ・・・。
そんな話、業界内にごろごろ転がってますよね。
あなたの職場環境は、とても不安定な前提の上に成り立っているのです。
これは大変なデメリットです。
ずっと一般薬剤師でいることを選べば、あなたはいつ、どのようなタイミングで、どんな職場環境の悪化に放り込まれるか、全く分かりません。
場合によっては、あなたも辞めたくなるような事態に発展することもありえますし、あなたがなんとか頑張ったとしても、他のスタッフがいなくなってしまえば、あなたにかかる負荷は巨大になります。
いっそ自分が上に立って、理想の職場づくりをした方が、よっぽど安全で、リスクを避けられると思いませんか。
それでも躊躇を感じるあなたへ
それでも、管理薬剤師になることに躊躇を感じるあなた。
あなたの中には、メリットやデメリットが気になるという気持ちだけでなく、管理薬剤師になる自信がなかったり、自分には向いてないんじゃないかという不安な気持ちがあるのではないでしょうか。
あなたは、きっと仕事に誠実に向き合う、真面目な方なのでしょう。
管理者としての職責を理解し、重みを感じているからこそ、臆病な気持ちになってしまっているのでしょう。
だからこそ私は、きっとあなたは良い管理者になるに違いない、と思います。
管理者としての重みを知っているあなたは、管理者がどう振る舞うべきか知っています。
管理薬剤師には何が必要で、良い管理薬剤師とは何かを知っていて、理想の管理者像を持っているからこそ、自分とのギャップを感じているのでしょう。
理想の管理者像を持っている方は、その理想に向かって頑張ることができる人です。
上司にするなら、そんな方が良いとは思いませんか。
真摯に業務に向かうあなたの姿に、スタッフも信頼を寄せ、快くサポートしてくれるでしょう。
始めこそ、自信が持てずにいるかもしれませんが、しばらくすれば立派な管理者になれると思います。
困難を感じていたからこそ、乗り越えた時には、達成感もひとしおでしょう。
管理者になることが、あなた自身も知らなかった才能を花開かせる結果をもたらすかもしれません。
自分を過小評価して、才能を開花させるチャンスを逃してしまうのは、もったいないですよ。
新しい挑戦で、あなたは一回りも二回りも成長し、仕事がもっともっと楽しくなるかもしれません。
一般薬剤師に戻っても給与は引き継がれる
物事はなんでも、昇ることより、降りることの方が簡単です。
チャレンジしてみて、どうしても自分は一般薬剤師の方向いていると感じるのであれば、戻ってもいいじゃないですか。
同じ店舗でとなるとちょっと難しいでしょうが、管理薬剤師を経験した後でも、他の店舗の一般薬剤師になったり、ヘルプ人員になって活躍されている薬剤師はいっぱいいますよ。
それから、もう一つ、重要なことを。
もし、あなたが管理薬剤師から一般薬剤師に転職することになったとしても、給与は前職の金額が交渉のベースとなります。
つまり、管理薬剤師としての給与を引き継いでいくことが可能なのです。
管理薬剤師になって良かったと感じる人も多い
管理薬剤師になるチャンスがあるのなら、チャレンジした方がメリットが大きいといえます。
考えてみれば、もし、管理薬剤師のデメリットの方が大きかったら、管理薬剤師をやりたくない人だらけになっちゃいますよね。
でも、現実には管理薬剤師になり手はちゃんといますし、あなたが知っている管理薬剤師だって、みんながみんなイヤイヤやってて、管理薬剤師を降りたがってる人ばかり、って訳でもないですよね。
デメリットを凌ぐメリットがあるからこそ、なり手もいるのです。
女性の方は、管理職に就くことに抵抗を感じる方もいらっしゃいますが、実際になってみたら、やってみて良かったと感じる人は多いそうですよ!
管理薬剤師のメリットを最大化してくれる職場を探してもらおう
「よし、決めた!管理薬剤師にチェレンジする!」と思った方、行動を起こすのはまだ早いですよ。
お伝えしなければならない注意事項があるので、もうちょっと待ってくださいね。
あなたが管理薬剤師になる職場は、どこでもいいってわけではないですよね。
せっかく、一念発起して管理薬剤師を目指すのです。
あなたが管理薬剤師になる職場は、メリットを最大限の享受でき、デメリットは最小限に止められる職場であるべきです。
メリット最小、デメリット最大、なんて職場には勤めたくないですよね。
あなたの決意が最高の結果をもたらすよう、慎重に行きましょう。
管理薬剤師になるのを避けるべき薬局
あなたが管理薬剤師になる薬局について、もっとも大切なことは、適正な人員体制がとれているかということです。
管理者が休んだ時にも、フォローを的確に入れられる体制が薬局内で確立されていなければなりません。
たくさんの薬剤師が所属する大規模な薬局であれば、管理者が不在であっても、他の従業員が代行することが当たり前となっているでしょう。
でも、人数が少ない薬局ではそうはいきません。
自分が休むと薬局の業務に支障ができるので、休みたくても休めない・・・。
そんな状況に陥らないように、薬剤師の人数が少ない薬局では、近隣エリアにヘルプ要員が用意されているか、本部にフォロー要員が確保されている薬局を選ぶ必要があります。
また、一人薬剤師体制の薬局は極力避けた方が良いでしょう。
初めて管理薬剤師を勤めるとなると、店舗運営に関して分からないこともいろいろ出てくるでしょう。
一人薬剤師体制の薬局では、すぐに助けを得にくいので避けた方が無難です。
また、いざという時にも休みがとれずに困る可能性があります。
みなし残業時間内に、とても業務が終わりそうもないような薬局も、避けるべきです。
みなし残業制は、雇用者が残業代の支払い額を下げるために導入していることがほとんどです。
残業代が発生することに対してシビアで、仕事量が多く、明らかに勤務時間内では仕事が終わらないようなシーンでも、残業代を発生させないよう強いプレッシャーをかけてくる可能性があります。
不利益を被らないよう、実際の勤務時間や、みなし残業時間を超えた残業代の支給実績は事前によく確認しましょう。
管理薬剤師の仕事は、重要な仕事です。
十分な報酬を求めるのは当然の権利です。
給与水準が自分の希望と一致せず、納得できないようなら、無理に契約する必要はありません。
従業員が頻繁に入れ替わっている職場も要注意。
人間関係や職場環境に重大な問題をかかえている可能性があります。
エリアマネージャーや幹部が定期的に巡回し、本部との連絡が密にとれる体制を敷いている職場を選びましょう。
業務を行う上でのアドバイスも得やすく、改善をお願いする案件が発した際も相談しやすくなります。
とは言え、自分では探せない
このような薬局を避け、あなたが管理薬剤師として安心して業務に臨み、仕事に集中できる職場を見つけるためにはどうしたら良いでしょうか?
求人票だけ眺めていても、そこにはあなたが欲しい情報は載っていません。
管理薬剤師のメリットを最大化してくれる職場を、自分ひとりの力で見つけることは大変困難であると言わざるを得ません。
薬剤師転職サイトに丸投げしよう
自分ひとりでできないことは、人に頼むのが一番です。条件に合う職場探しは、薬剤師転職サイトに丸投げしちゃいましょう。
薬剤師転職サイトのエージェントは、求人票に載っていないような裏情報についても、信頼できる数多くの情報を持っている、いわば職場探しのプロ。
あなたの希望する条件にあう薬局も簡単に見つけてくれます。
将来、上級職への昇進を狙っている方は、そのようなキャリアプランが実現できる薬局に絞って紹介してもらうことも可能です。
また、エージェント手持ちの情報に、あなたの知りたい情報がなかった時も大丈夫。
あなたが要望を伝えれば、すぐに確認を行ってくれますので、情報不足で条件に合わない薬局に入社してしまい、後になってからこんなはずじゃなかったと思うはめになることを避けることができます。
応募を検討する段階での薬局への確認は、もちろん匿名扱いです。
細かい条件を確認した上であなたの希望に合わないと感じたなら、個人情報を明かすことなく、応募を見合わせることができます。
管理薬剤師のメリットを最大化させるためのテクニック
それは、薬剤師転職サイトを上手に活用することです。
薬剤師転職サイトの情報力を使えば、希望条件に合う薬局を簡単に見つけることができることは既に述べました。
転職サイトのエージェントから求人の紹介を受けたら、早速、薬局の人員体制、ヘルプの状況、みなし残業制の導入の有無と残業の実情、従業員の定着率、本部との連携体制について質問してみましょう。
エージェントを使って情報収集することで、あなたが応募しても大丈夫な薬局かどうかすぐに分かるはずです。
情報収集の結果、もし、その薬局が問題を抱えていることが判明した場合は、決して応募してはいけません。
入社後にとんでもなく大変な状況が待っている恐れがあります。
うかつに管理薬剤師になるのを避けるべき薬局へ応募してしまうことさえ回避できれば、あなたは、管理薬剤師になる上でのデメリットを最小化することに成功したと言えるでしょう。
しかし、薬剤師転職サイトの本領発揮はここからです。
薬剤師転職サイトのエージェントは高い交渉能力を持っています。これを活用しない手はありません。
希望に合う薬局が見つかったら、面接の申し込みは1社に絞らず、複数の薬局へ同時に申し込みましょう。
ばっちり条件のあった本命の薬局だけでなく、気になるけどちょっと条件が劣る薬局にも合わせて応募します。
上手く内定が複数とれればしめたもの。
例えば、年収が他社よりちょっと劣ることが気になるけどそれ以外は気に入った、と感じる薬局があったします。
エージェントに条件交渉をお願いすれば、かなりの高確率で、他社と引けをとらない金額まで年収を上げてもらえることでしょう。
エージェントに条件交渉をお願いした結果、最初に提示された年収額から50万円以上のアップに成功したという事例もあります!
交渉次第で待遇が上がるのは、何も給与に限ったことではありません。
薬剤師転職サイトのエージェントの力を借りることで、あなたは、自分の手を煩わせることなく、交渉を有利に進め、管理薬剤師のメリットを最大化させることができるでしょう。
あなたの人生をより素晴らしいものにするために
管理薬剤師になることは、デメリットよりも大きなメリットをあなたにもたらします。
そして、薬剤師転職サイトを活用すれば、そのメリットを最大化させることが可能です。
あなたは、管理薬剤師になることで、新しい世界を知り、人生を変える大きなきっかけをつかむことができるでしょう。
素晴らしい未来に向かって、早速、第一歩を踏み出しましょう。
執筆者情報
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