企業のDI業務とは?薬剤師が転職するメリットは?給与は?徹底解説!

企業でのDI業務とはいったいどのようなものなのでしょうか?

はっきりと回答できる方は少ないと思います。

すぐに思いつくのは企業のコールセンターでの問い合わせ対応業務でしょう。

しかし、実はそれだけではないのです。

そこで企業のDI業務への転職を検討されている薬剤師の方に向けて、薬剤師免許を持ち企業での勤務経験もあるわたしが、知っている情報をお伝えいたします。

より具体的な仕事内容、給与体系について知ることで後悔のない転職を成功させましょう!

DI業務の具体的な仕事内容とは

企業でのDI業務はメインの仕事内容としては医師、薬剤師等の医療従事者からの電話による問い合わせ対応になります。

しかしこれ以外にも様々なものがあるのです。

仕事内容は以下の通りです。

 

問い合わせ対応

電話対応しつつ、パソコンを使用して社内データベースを検索し、回答するという流れになります。

コールセンター窓口の回答は『会社としての回答』となるため、間違えることができません。

そのため、数多くの情報を整理し、素早く正確に相手に伝える能力が必要とされます。

 

有害事象の安全管理部門への報告 

製薬会社が自社製品の有害事象報告を医薬品医療機器総合機構へ報告することは、薬機法にも定められている重要な業務の1つです。

薬剤師の方の中には企業のMRの副作用情報収集に協力された方もいるのではないでしょうか。

 

コールセンターでの問い合わせ内容の多くは有害事象関連のものです。

そのため、情報を入手するとすぐ自社の安全管理部門へ報告する必要があります。

 

担当MRへの引継ぎ

どんな些細な内容でも基本的には問い合わせされた方を担当するMRへ、問い合わせ内容をフィードバックします。

なぜならその後の追加調査や必要な資材の提供などの対応をするのは、現場の担当MRだからです。

 

しかし、これはある意味で伝言ゲームに似ており、正確に伝えることは意外にも難しいものです。

MRが医療従事者へ問い合わせ内容を確認しに行ったところ聞いていた内容と異なってしまったという場面は、私も何度となく見たことがあります。

そのため、DI業務担当者には正確に情報を伝えるコミュニケーション能力も必須とされています。

 

 

DI業務では薬剤師としての知識は活かせるのか

上記の仕事内容だけ見ていると「薬剤師の資格がなくても業務を実施することは可能なのでは?」とお思いになる方もいらっしゃるでしょう。

 

それではなぜDI業務の募集要項の必須資格の多くに『薬剤師』と書かれているのでしょうか。

 

それは薬剤師は薬剤に関する幅広い知識を持っているからです。

 

例えば副作用に関する問い合わせがあった場合、その副作用が自社の製品による可能性が高いのか、併用薬による可能性が高いのか、様々な可能性を想定しながら回答する必要があります。

 

私のような製薬企業でしか働いた経験がない人は、自社製品の疾患に関しては知識がありますが、それ以外はサッパリです。そのため質問の回答をするのはかなりハードルが高いのです。

 

また、コールセンターへの問い合わせは副作用だけでなく多岐に渡ります。

 

例えば「自社製品と競合している他社製品の用法用量について教えて欲しい」といった内容のお問い合わせがあったこともありました。

 

このような様々な質問に対応するため、薬剤師としての経験を持ち、幅広い薬剤の知識がある方ならば、DI業務担当としてかなり重宝されます。

 

そしてDI業務担当者としても企業の代表としての回答ができること、薬剤師としての幅広い知識を活かせるといった点で、やりがいを感じることができるでしょう。

 

薬剤師がDI業務へ転職するデメリットとメリット

薬剤師からのDI業務への転職は向き不向きがかなりハッキリと分かれると思います。

転職を成功させるためにも、デメリットとメリットを把握し、本当に自分に合っているか検討してみましょう。

 

デメリット

外に出ることがほとんどない

内勤業務がほとんどであり、薬剤師として患者さんと接していた方はギャップを感じるかもしれません。

ただ、椅子に座っての業務がほとんどのため薬局や病院の薬剤師と比較すると体力的にはかなり楽になると思います。

 

電話対応がメイン

電話でのコミュニーケーションは、声のみで相手の機嫌、状況を判断する必要があるため難易度が比較的高いです。

このためコミュニケーション能力は必須とも言えます。

 

パソコン操作が多い

問い合わせがあった場合、素早くパソコンで回答を調べながら対応する必要があるため、ある程度のパソコンスキルは必要とされています。

 

ただ、こちらはパソコンを全く使用しない方でなければ、1か月もあれば慣れてしまうでしょう。

 

メリット

転勤が少ない

基本的には本社勤務となり、転勤はほとんどありません。

一つの場所でじっくりと腰を据えたい方にとっては魅力的な職種でしょう。

その代わり転職の際は勤務地を必ず確認する必要があります。

 

残業がほとんどない。

コールセンターは対応時間が決まっているため、残業がほとんどありません。

勤務体系にもよりますが、17時から18時には業務が終了できることも少なくありません。

アフター5を充実させたい方やお子さんがいらっしゃる方には働きやすい環境といえます。

 

 

企業DI業務の給与は?

では、気になる企業のDI業務の給与はいったいどれくらいなのでしょうか。

ます勤務形態が2種類存在します。

 

  1. 派遣会社へ転職し、製薬企業のDI業務部門へ派遣される
  2. 製薬企業へ転職し、DI業務部門へ配属される

 

どちらのパターンでも仕事内容自体にほとんど差はありません。

 

年収は400~600万円が相場といわれており、医療機関や調剤薬局の薬剤師と同程度と考えられます。

 

製薬企業の場合はその他にも福利厚生や昇給制度が充実している場合があります。例えばわたしの働いていた会社では住宅手当だけでも年間50万円以上ありました。

 

収入を重視されるかたは、そういったところを確認してみるのも良いでしょう。

 

 

企業のDI業務へ転職する際のポイント

勤務形態は2種類ある

給与の項目でもご紹介したように勤務形態が2種類存在します。

製薬企業自体に就職する場合と派遣会社に就職し、製薬会社のコールセンターに派遣される場合です。

どちらも正社員であり、働く場所は製薬会社のコールセンターといった点では同じです。

また、年収自体にはほとんど差はないでしょう。

 

ただ、数字で表れない福利厚生に違いが出てくるため、注意が必要です。

 

製薬会社の求人は少ない

最近では派遣の方がメインとなっており、DI業務を募集している製薬会社は少なくなってきています。

 

製薬会社への就職を希望する場合は、求人を見つけた際は早急に判断していく必要があります。

 

 

まとめ

このように、企業のDI業務には薬局や病院の薬剤師とは異なるメリットややりがいがあります。

 

しかし、勤務形態が2種類存在し、その他にも勤務地や福利厚生など確認しなければならない項目も多く存在します。

そういった情報を自分だけで収集することはかなり難しいものです。

 

そのため企業のDI業務への転職を検討するならば、転職サイトを活用し、担当者の方とよく相談することをお勧めします。

効率よく必要な情報を収集し、自分に合った会社への転職を成功させましょう。

執筆者情報

天職エージェント編集部
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